映画化され、多くの方がご存知であろう小説【ちょんまげぷりん/荒木 源 (著)】のオーディオブック版がAudibleで聞き放題となりリリースされましたので、早速チェックしてみました。タイトルを見た段階では「釣りタイトルで、内容はしょうもないだろう…」と先入観を持っていましたが、予想を裏切る超良作のエンターテイメント作品であったので、小説【ちょんまげぷりん】の魅力を解説します。
【主人公の侍が現代の東京にタイムスリップ】
普通、このような構成だと私的にはちょっと苦手で避けがちなのですが、著者荒木源さんの力量で、すんなりとこの世界に入れる構成になっています。早速、著者の力量を感じました。（村上春樹ワールドに没入できるような感じです。）
【サムライ×スイーツの発想が斬新】
タイムスリップした武士、安兵衛は「武士道」を重んじる25歳の男性です。現代にタイムスリップして偶然、主人公の女性と出会い、空腹のあまり彼女の家に押しかけることからストーリーは始まります。その際に初めてプリンを食べた侍は衝撃を受けます。侍の時代には洋菓子は存在しないため、未知の体験になります。親子二人暮らしの女性の家に転がり込んで家事をしながら元の時代に戻ることを試みますが、家事全般や衣食住を提供してくれている彼女へのお返しとして、スイーツ作りの才能を開花させます。サムライがスイーツを作るということが話題となり、テレビでも活躍するようになり、一躍有名人になります。
【現代×武士道】
突然現代に来た武士は、多くの事象にカルチャーショックを受けます。現代と昔との違いに遭遇した主人公ですが、現代人に心に響く説教をしてくれるので、周囲の人々は深く感化されていきます。この描き方も著者の力量が現れており、時代背景を捉えた文章が、我々日本人が忘れてしまった価値観を蘇らせてくれます。
【スイーツ業界に働く人も聞いてほしい】
主人公の安兵衛がスイーツコンテストに出場するのですが、コンテスト内容や登場するスイーツの作り方などは本格的に構成されており、プロのパティシエが聞いても理解できる内容です。「細かなところまで綿密に構成されているな」と感心しました。
【エンディングも最高】
ネタバレになるので詳細は語れませんが、話の終わり方も最高です。ガチガチのハッピーエンドではないのですが、心が温まるようなエンディングで、これ以上の終わり方はないのではないかと思えるほどです。最後まで聞いて損はない作品です。
【ちょんまげぷりん2】が2023.5.19日から配信予定なので、楽しみで仕方がないです。
【ヘビメタ中年！/荒木 源 (著)】の記事は↓
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